久しぶりの旅行。ワクワクする気持ちの一方で、こんな不安が頭をよぎりませんか?
「広い空港を歩き回って、飛行機に乗る前に体力を使い果たしてしまわないかな…」 「搭乗までの長い待ち時間、座れる場所がなかったらどうしよう…」
その気持ち、痛いほど分かります。 私自身も「単心室症」という先天性心疾患を持ち、障害者手帳1級を所持しています。以前の私は、空港の硬いベンチでぐったりし、現地に着く頃にはヘトヘト…なんてこともありました。
でも、空港ラウンジを活用するようになってから、私の旅は劇的に変わりました。
はっきり言います。私たち心疾患を持つ人間にとって、空港ラウンジは「贅沢をする場所」ではありません。命を守り、旅を最後まで楽しむための**「必須の避難所(メディカルステーション)」**なのです。
この記事では、体力に不安がある私たちがなぜラウンジを使うべきなのか、そして障害者手帳の有無に関わらず受けられる空港サポートについて、私の実体験を交えてご紹介します。
なぜ先天性心疾患の人に空港ラウンジが必要なのか?

「ラウンジなんて、ビジネスマンやお金持ちが使うものでしょ?」
もしそう思って利用をためらっているなら、今すぐその考えを捨ててください。健康な人にとっては「贅沢な待合室」でも、私たちにとっては体調管理の拠点になり得るからです。
私がラウンジを強くおすすめする理由は、大きく分けて3つあります。
1. 「パーソナルスペース」と「衛生面」での安心感
もちろん、時期や時間帯によってはラウンジも混雑することがあります。しかし、搭乗ゲート前のベンチのように「隣の人と肩が触れ合う距離」になることは比較的少ないです。
ラウンジの椅子は一人ひとりのスペースがしっかり確保されていることが多く、テーブルなどもスタッフの方がこまめに清掃してくれます。
感染症リスクを完全にゼロにできるわけではありませんが、不特定多数が行き交う通路よりは、清潔で落ち着いた環境に身を置けるというのは、基礎疾患を持つ私たちにとって大きな精神的安定剤になります。
2. 搭乗前の「体力温存」が旅の質を決める
旅行のメインイベントは、現地に着いてからですよね?
しかし、空港での移動や待ち時間は想像以上に体力を奪います。ここでHP(体力)を削られてしまうと、楽しみにしていた観光地で「疲れたからホテルで寝ていたい…」なんてことになりかねません。
ラウンジのソファはふかふかで、体を包み込んでくれます。 搭乗ギリギリまで静かな場所で足を伸ばしてリラックスする。この事前の充電時間があるだけで、現地に着いてからの活動量が驚くほど変わります。これは私が身をもって体験した事実です。
3. 服薬や水分補給を落ち着いて行える
「薬を飲む時間だけど、人前で大量の薬を出すのはちょっと気が引ける…」 そんな経験はありませんか?
ラウンジには無料のソフトドリンク(お水やお茶、ジュースなど)が用意されており、サイドテーブルも完備されています。周りの目を気にせず、落ち着いて薬を服用し、水分補給をして体調を整えることができます。
トイレもラウンジ内にあることが多く、並ばずに利用できるのも隠れた大きなメリットです。
実際に空港ラウンジには2種類あることを知っておこう
「ラウンジに行きたいけど、どうやったら入れるの?」という方のために、簡単に2つの種類を解説します。
① カードラウンジ(提携クレジットカードで入れる)
まず目指すべきはここです。 特定のクレジットカード(ゴールドカードなど)と当日の航空券を持っていれば、無料で利用できます。
- 特徴: ソフトドリンク無料、電源コンセント完備、ゆったりしたソファ。
- 難易度: 比較的低い(対象のカードを持っていればOK)。
② 航空会社ラウンジ(ANA/JALなどの上級会員向け)
こちらは少しハードルが高い、航空会社が運営するラウンジです(ANAのSUITE LOUNGEやJALのサクララウンジなど)。
- 特徴: 軽食やアルコールが無料、場所によってはシャワールームがあることも。
- 難易度: 高い(ビジネスクラス利用や、たくさん飛行機に乗って上級会員になる必要がある)。
私は現在、ANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)会員として航空会社ラウンジも利用していますが、まずは「カードラウンジ」で体を休める体験をするだけでも、十分すぎるほどのメリットがあります。
【手帳なしでもOK】体力に自信がない私たちが使うべき空港サポート
ラウンジと合わせて知っておいてほしいのが、航空会社のサポートサービスです。 ここは誤解されがちですが、「障害者手帳」を持っていなくても利用できるサービスがたくさんあります。
広い空港内の移動は「電動カート」や「車椅子介助」を予約しよう
「手帳がないから、歩くのが辛くても我慢しなきゃ…」と思っていませんか?
実は、航空会社の移動サポート(電動カートや車椅子)は、手帳の提示が必須条件ではありません。
- 長距離の歩行が困難
- 内部疾患で疲れやすい
- 一時的な怪我や体調不良
こういった理由があれば、遠慮なく相談して大丈夫です。 予約時に「病気で長い距離を歩くのが不安です」と伝えれば、チェックインカウンターから搭乗口までサポートしてもらえます。無理をして倒れてしまう方が大変です。堂々と甘えましょう。
焦らず搭乗できる「事前改札サービス」
「優先搭乗」と呼ばれるサービスです。
妊娠中の方や小さなお子様連れの方と同様に、手伝いが必要な方は一般のお客さんより先に機内へ案内してもらえます。
混雑する通路で立ち止まったり、後ろの人に急かされたりするプレッシャーから解放されます。早めに座席に着いて、呼吸を整えられるのは大きな安心感につながります。
【手帳保有者限定】航空運賃の割引制度もしっかり活用
ここからは手帳をお持ちの方限定になりますが、国内線の「障害者割引運賃」は非常に強力です。
当日予約でも割引が適用されることが多く、急な体調変化で予定を変更したい時にも柔軟に対応できます。
ここで浮いたお金を、移動を楽にするタクシー代や、ホテルのアップグレード費用に回す。これも「旅を続けるための賢い戦略」の一つです。
ここで国内の航空会社の障がい者運賃についてのページを載せておきますので、飛行機をご利用される際にはご確認ください。
※2026年5月18日搭乗をもちまして障がい者運賃が終了
コストをかけずにラウンジを利用する賢い方法
ここまで読んで、「ラウンジが必要なのは分かったけど、毎回利用料(1,000円〜)を払うのはもったいない…」と感じた方もいるのではないでしょうか?
その感覚、正解です。 毎回現金で払うのは正直もったいないです。旅好きで賢い人たちは、みんなクレジットカードの特典を使って無料で利用しています。
障害者手帳+「ラウンジ無料付帯」のカードが最強の組み合わせ
私がおすすめするのは、国内空港のカードラウンジが無料で使えるクレジットカードを1枚持っておくことです。
これがあれば、当日の搭乗券を見せるだけで、あなた(と同伴者1名まで無料のカードもあり)が無料でラウンジに入れます。 「薬を飲むための水を買う」「座れるカフェを探して歩き回る」…そんな小さな出費や労力を、カード1枚で全部カットできるんです。
【実例】私が「マリオットボンヴォイ・アメックス」を選ぶ理由
数あるカードの中で、私がメインで使っているのはMarriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードです。
なぜ心疾患を持つ私がこのカードを選んでいるのか? 単にラウンジに入れるからだけではありません。
- 国内主要空港のラウンジが無料 同伴者1名まで無料なので、家族や友人と一緒の時も気兼ねなく休めます。介助者と一緒に旅行する際も安心です。
- 貯まったポイントで「高級ホテルに無料宿泊」できる これが最大の理由です。私たちにとって、旅先での「ホテルの快適さ」は命綱。ポイントを使ってリッツ・カールトンやシェラトンなどの良いホテルに泊まり、ふかふかのベッドでしっかり体を休める。これが私の旅のスタイルです。
- 付帯保険の安心感 万が一の時の旅行傷害保険や、ショッピング・プロテクションなどが充実しており、「何かあっても守ってもらえる」という安心感があります。
- JALとANAだけでなく、数十社の外資系航空会社のマイルに交換できる唯一のカードだからです。
もちろん年会費はかかりますが、「体調を守るための必要経費」として、そして「無料宿泊特典」で元が取れると考えれば、決して高い投資ではありません。
多くの旅行マニアはマリオットボンヴォイのステータスを獲得するために、多くの宿泊数を稼いだりポイントを得て効率よく旅行をしています。
しかしながら、先天性心疾患をもつ私たちは通院や入院により、1か月以上で海外でホテルステイを楽しむなど現実的ではありません。
マリオットボンヴォイアメックスプレミアムカードの入会はこちらから
まとめ:ラウンジは「体への投資」。安心して旅に出よう
先天性心疾患や内部障害があるからといって、旅行を諦める必要はありません。 ただ、健康な人と同じように無理をして動くと、どうしてもリスクが高まります。
- 人混みを避けて、ラウンジという「避難所」を確保する。
- 電動カートや優先搭乗など、使えるサポートには堂々と甘える。
- クレジットカードという「武器」を使って、スマートに環境を整える。
これらは決して「贅沢」ではなく、あなたが旅を安全に楽しみ、無事に家に帰るための体への投資です。
まずは次の旅行で、少し早めに空港へ行って、ラウンジのふかふかのソファで深呼吸してみてください。「あ、これなら大丈夫かも」という自信が、きっと湧いてくるはずです。



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