先天性心疾患(右室性単心室)を持ちながら、「いつか海外で暮らしてみたい」とずっと夢見ていた10代の頃の私。
「病気があるから、海外なんて無理かもしれない」 「何かあったらどうしよう」
そんな不安を抱えながらも、私がその夢を叶えたのは19歳のときでした。イギリスの小さな街での約3週間の語学研修とホームステイ。期間こそ短かったものの、心疾患と向き合いながら「海外でも私は暮らせるんだ」と実感できたことは、その後の人生を変える大きな経験になりました。
もちろん、全ての心疾患を持つ方が無条件に留学できるわけではありません。しかし、適切な準備と対策を行えば、その可能性を広げることはできます。
この記事では、当時の私のように「病気があるけれど海外へ行きたい」と願う方やそのご家族へ向けて、先天性心疾患を持つ方が海外留学を検討する際に知っておくべき課題と、具体的な準備のポイントを私の体験を交えてまとめました。
先天性心疾患と海外留学|まず知っておくべき「私たちの課題」

先天性心疾患を持つ私たちが海外留学を考える際、健康な方とは異なるいくつかの「課題」があることを直視する必要があります。これらは「壁」ではなく、安心して渡航するための「チェックリスト」です。
定期通院と渡航期間の調整
術後の経過観察など、定期的に病院で診察を受ける必要がある方は多いはずです。 特に半年以上の長期留学を考える際は、渡航期間中に日本での定期検診が受けられないことを考慮しなければなりません。「一時帰国して受診するのか」「現地の病院と連携するのか」、主治医と相談して計画を立てる必要があります。
服薬・在宅酸素などの医療管理
日本で処方されている薬が、海外で全く同じように手に入るとは限りません。 私は3週間の滞在でしたが、出発前に主治医に相談し、滞在日数分よりも多めの薬(予備)を処方してもらいました。フライトの遅延や予期せぬトラブルに備え、手荷物と預け入れ荷物に分散して持っておくなどのリスク管理も重要です。
また、日常的に在宅酸素療法を行っている場合は、酸素濃縮器の手配や航空会社への事前申告など、より入念な準備が必要です。必ず留学エージェントや大学の担当窓口、そして主治医との綿密な打ち合わせを行ってください。
留学準備の最重要ポイント:現地の医療と安全対策
「行きたい」という気持ちだけで飛び出すのは危険です。自分自身の命を守るために、私が実際に行った準備をご紹介します。
受け入れ先の医療体制をリサーチする
留学先の地域に、先天性心疾患(特に成人先天性心疾患:ACHD)に対応できる病院があるかを確認することは非常に重要です。
私が滞在したイギリスの街には大学病院がありましたが、専門医がいるかは不明でした。そのため、何かあった時にすぐ動けるよう、現地の緊急通報用電話番号(イギリスであれば999)をメモし、常に携帯していました。これから留学先を決める方は、医療機関のアクセスの良さを条件の一つに入れることを強くお勧めします。
「英文診断書」は命綱になる
私が最も重要だと感じたのが、主治医に英文診断書(Medical Information Form)を作成してもらうことです。 言葉の通じない異国の地で、万が一倒れたり病院にかかったりした際、自分の複雑な心臓の構造を口頭で説明するのは至難の業です。
私は渡航前に以下の内容を英語で記載した診断書を作成してもらい、常に持ち歩いていました。
- 正確な診断名(病名)
- 手術歴(Fontan術など)
- 現在の心臓の状態(SpO2のベース値など)
- 服薬内容(薬品名と用量)
- 渡航中の注意点・制限事項
これは現地の留学コーディネーターや学校へ提出するだけでなく、自分を守る「お守り」になります。
海外旅行保険への加入は必須
海外の医療費は、日本とは比較にならないほど高額になるケースがあります。イギリスにはNHS(国民保健サービス)がありますが、短期滞在者や緊急時以外の医療サービスは自己負担になることも少なくありません。
「先天性心疾患(既往症)があっても補償されるか」という点は、保険選びの最重要チェック項目です。 一般的な海外旅行保険では、持病が補償対象外になることもあります。加入前に必ず保険会社の窓口に問い合わせ、「先天性心疾患があること」「渡航先で治療が必要になった場合の補償」について確認してください。
緊急時に自分を守る「英語フレーズ」
いざという時、とっさに英語が出てこないことがあります。 自分の体のことを最低限伝えられるよう、以下のフレーズを練習し、スマホやメモ帳にも控えておきましょう。
- “I have a congenital heart disease.” (私は先天性心疾患を持っています。)
- “I get tired easily, so I might need to rest sometimes.” (疲れやすいので、時々休憩が必要になるかもしれません。)
- “I cannot carry heavy things.” (重いものを持つことができません。)
- “In case of emergency, please refer to this medical report.” (緊急時には、こちらの診断書を参照してください。)
これらを事前にホストファミリーや学校の先生に伝えておくだけで、周囲の理解が深まり、無理のない生活を送ることができます。
留学に向けて「少しでも英語を話せるようになっておきたい!特に、自分の体調や症状を英語で伝えられるか不安…」という方も多いと思います。
私自身イギリスに行く前は、病院で自分の症状を伝えられるかとても不安でした。
でも、留学準備や通院で忙しい中、わざわざ外の英会話教室に通って体力を削ってしまうのは本末転倒です。
先天性心疾患を持つ私たちが留学準備をするなら、自宅のベッドやソファでリラックスしながら受けられる「オンライン英会話」を活用すると良いでしょう。
① 体調の波に合わせて「今すぐ」レッスンできる!
予約がいらないので、「今日は体調が良いからやろう!」「今日は疲労感があるから休もう」というように、自分の身体のペースを最優先にして進められるのが最大のメリットです。
② 世界中で語学学校を運営する留学エージェントが手掛ける英会話レッスン
1週間無料体験ができるので、お気軽に始められます!
快適な留学生活を送るための持ち物・手続き
クレジットカードと現金の準備
現在、多くの国でキャッシュレス化が進んでいます。特に医療費の支払いや急な出費に備えて、クレジットカードは必須です。海外旅行保険が付帯しているカードであれば、より安心感が増します。
私が留学した当時は現金も多めに持っていましたが、現在は現地の治安や利便性を考えても、メインはカード決済、チップや少額決済用に現地の現金を少し用意しておくのがスマートです。
周囲への「病気の共有」が自分を助ける
「病気のことを言うと、面倒がられるかな?」と不安になるかもしれません。 しかし、充実した留学生活を送るためには、現地の学校、寮、ホストファミリーにありのままを共有することが大切です。
私も事前に英文診断書をカレッジに提出し、ホストファミリーには「運動制限があること」「疲れやすいこと」を正直に伝えました。そのおかげで、無理なアクティビティを強いられることもなく、私のペースを尊重してもらえました。隠すよりもオープンにする方が、結果として信頼関係も築きやすくなります。
まとめ:一歩踏み出したいあなたへ
私たち先天性心疾患を持つ当事者が、人生の選択をする際、健常な方よりも多くの壁に直面することは事実です。進学、就職、そして海外留学。
「何かあったらどうしよう」という不安は、決してゼロにはなりません。 ですが「将来英語を活かしたい」「広い世界を見てみたい」という情熱があるのなら、諦める前にまずどうすればリスクを減らせるかを調べてみてください。
適切な医療の準備、情報収集、そして周囲への協力要請。一つひとつの課題に丁寧に向き合うことで、その壁を乗り越えられる可能性は十分にあります。
私の留学経験は短いものでしたが、「心臓病があっても海外で生活できた」という事実は、その後の人生で大きな自信になりました。あなたのその「行きたい」という気持ちを原動力に、入念な準備をして一歩踏み出してみませんか?
もう一人で悩まない!安心をサポートする「IncludeWay」という選択肢
ここまで私が実践した準備についてお話ししてきましたが、「理屈はわかったけれど、すべて自分で手配して交渉するのはやっぱり不安…」「もしもの時の現地のサポート体制がもっと欲しい」と感じる方もきっと多いはずです。
そんな方にぜひ知っていただきたいのが、身体に配慮が必要な方のための留学支援サービスIncludeWay(インクルードウェイ)です。
実は以前、ご縁があってこのサービスを立ち上げた代表の清水さんからインタビューを受けたことがあります。清水さんご自身も長年ご病気と向き合ってこられた当事者です。
「不安を知っているからこそ、届けられる安心がある」という想いで立ち上げた、ハンディキャップに優しくて心強いサービスなんです。
IncludeWayが心強い3つの理由
①当事者目線で厳選されたセブ島の語学学校
代表自らがフィリピン・セブ島の語学学校を徹底視察。段差のないバリアフリー環境や、生活が屋内で完結する施設が選ばれているので、体力的な負担を最小限に抑えられます。
②いざという時の医療体制もバッチリ
日本語で相談できる提携医療機関(ジャパニーズヘルプデスクなど)が用意されているため、万が一の体調不良時も安心です。
③プロと一緒に作る「無理のない計画」
「どんな配慮が必要か」を事前にしっかりヒアリングし、航空券の手配アドバイスから学校側への交渉まで、あなたの体調に合わせた支援設計をしてくれます。
現在は、第1期モニタープログラム(支援設計費用が特別価格の20,000円)の募集を行っているとのことです。
「海外で学んでみたいけれど、どうしても不安で一歩踏み出せない…」と悩んでいる方は、まずは一度、今の不安や希望をそのまま相談してみてはいかがでしょうか?あなたに合った「無理のない形」を、きっと一緒に見つけてくれるはずです。


コメント